おすわりくまちゃん

おすわりくまちゃん

著・シャーリー・パレントー/出版社岩崎書店 価格:\1155
ハードカバー32ページ ISBN-10:4265068286 ISBN-13:978-4265068289
発売日: 2010/08/07

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あまりの表紙の可愛らしさに、自分の為に手に取りました。

可愛らしい青・ピンク・黄色・ベージュの4匹のくまちゃんがちいさな4つのいすに座ってご機嫌♪
そこへ大きなくまさんがやってきて、僕も座りたいと言います。いすは4つしかありません。さぁ4匹のくまちゃんはどうしたのでしょうか。

A.いすは4つしかないのだからと、くまさんに説明する
B.優しいくまちゃんが、我慢をして、いすを譲ってあげる

自分が我慢をして相手に譲ることが美徳とされ、それが正しく、そうするべきだという考えが日本には深くあります。未曾有の大震災のなか、長蛇の列にも整然と並び、自分自身が過酷な状況であっても相手を思いやる心を忘れない精神には同じ日本人ながら、誇りに感じます。

その一方で、相手や周りの為に自分を犠牲にしてまで我慢をしたり、NOと言えずに苦しんだり、体を壊すまで仕事に取り組んだりとする姿もたくさんあり、悩ましいものであったりもします。

我慢をして相手を思いやった結果、「こんなにしてあげたのに・・・」と感じたり、自由奔放に楽しくいる人を「少しは相手の気持ちを考えればいいのに」と感じたり。そんな思いが、人と人との間に溝を生み、大人でさえも、その関係を修復するのに難しかったりします。

大切な相手を思いやって我慢したり、頑張ったはずなのに、自分に無理があれば、結局、相手は負担に思い、心配をかけることになりかねません。大切な相手は自分と同じように自分を大切に思ってくれているのだから。

逆に、近年欧米のように自己主張、自己PRができる人が求められるようになり、自分の思いを上手にアピールする人も増えてきました。
我が娘も、園で誰にも負けないほどの自己主張っぷりです(苦笑)
ただ、娘も含めて、自分の意見だけを押し通す人!もちらほら。そんな人たちが増えれば争いは絶えず、我慢する人はすぐに体を壊しそうです。

簡単なようで難しい。

おすわりくまちゃんを読んで、主人と付き合い始めた頃の会話を思い出しました。
「私かあなたかどちらかしか助からないとしたらどうする?」の問いかけに
「自分も私も両方助かる方法を考える」と答え
「えー。どっちかしか無理だったら?」と返したら
「両方助かる方法を最後まで考える」と言い切りました。
「それはお前をたすけるさ。」と甘〜い返答を期待していた私には目からウロコでした。

大切なのは自分の気持ちを押し通すのではなく、自分を犠牲にしてまで相手の事を考えるのではなく、
自分も相手もハッピーになれる道を探す
こと。
周りみんなが幸せになれる斬新なアイディアを発想できる力
おすわりくまちゃんはそれを可愛らしく、単純明快に描かれている気がします。
おすわりくまちゃんの答えは、AでもなくBでもなくC.みんなが仲良く座れるように考えた!
子どもにもCという新しい方法を見つける。そんな力が育ったらなぁと感じます。

主人の名言「他人に優しく!自分にも優しく。」が我が家の家訓です。

ちなみに結婚6年目を迎えた我が家。主人に同じ質問をしたら「子どもを真っ先に助ける。俺は絶対に助かる自信がある!お前はがんばれ!」との事。
「はぁ〜?私がいなけりゃ子どもが悲しむよ。だから私も助けとかないと。ね!よろしくね!」と返しておきました。

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