絵本の評論家ではないので、絵本の読み方の知識があるわけではありませんが、1年半ほど前、絵本の読み聞かせのセミナーで、講師の方から絵本の読み方について教えていただいたことを書いています。
我が家もずっと続けています。良ければ、親子で絵本の参考にしてみてください。
これが正しい、全て!というわけではありません。
家庭の数だけ絵本の読み方があっていいと思います。
それが「親子で絵本」の良さだとも思います。
どんなガラガラ声でも、所々詰まってしまって、上手に読めなくても、全く構いません。
プロの方のテレビの朗読よりも、CDの読み聞かせよりも、大好きなお母さんの声が子供にとっては一番です。
愛情いっぱいのお母さんの声をたくさん聞かせてあげてください。
もちろん、お父さんや家族の誰に読んでもらっても同じです。
表表紙→見返し→標題紙→本文→見返し→裏表紙→表表紙という順番で見せてあげる。
本を開く前に表表紙を見せて、題名や作者を読み上げます。
次に、しっかりした本は、表表紙をめくると何も書かれていないページ(見返し)があります。
お話がおわった最後にも同じように見返しがあります。
色がついていたり、絵が書いてあったりと、絵本によってまちまちです。
この見返しはその絵本のイメージで作られています。
これから絵本の世界へ入る心の準備、絵本を読み終わった余韻を感じる場所です。
一呼吸、静かに見せてあげてください。
子供にはできればこの見返しのついた絵本を見せてあげられると良いそうです。
最後に、裏表紙を見せてあげて、ひっくり返してまた表表紙を見せてあげます。
表表紙を最初と最後に見せるのは、表表紙は絵本の顔であり、子供はこの表表紙の絵を覚え、探して、また読みたい本を持ってくるからです。
紙芝居ではないので、感情をこめすぎたり、登場人物によって声をかえたりせず、淡々と読みます。
淡々と読むことで、子供自身が色々な想像力を膨らませることができるそうです。
読むたびに子供は色々な想像力を膨らませて楽しむことと思います。
大人の会話のスピードは少し早いので、少しだけゆっくり読みます。
保育士さんが子供に話される程度の早さです。
ゆっくりしすぎても内容がわからなくなってしまうので、少し意識した程度がちょうどいいかもしれません。
読み終わってから「どうだった?」「楽しかったね」「あのぞうさん、どうして喜んでいたのかな?」というふうに、大人から子供に感想をもとめないようにします。
読み終わったら、静かに絵本の余韻を子供に楽しませてあげてください。
3歳位までの小さな子供だと、特にそうなのですが、途中の絵が気になったり、絵本をめくること自体に興味をもって先に進めないことがあります。
そんな時、少し立ち止まって「(象に指をさしていたりしたら)そうだねぞうだね。」というふうに、対話も楽しんでください。
絵本を読みながら対話もできるのが、親子で絵本のよさでもあります。
テレビやCDの読み聞かせでは止まってくれません。
子供が気に入って、何度も何度も同じ本を持ってくることがあります。
親としては、また同じ本を。。。と思ってしまいますが、子供にとっては2度目3度目とまた新しい発見・感じ方があり楽しんでいるようです。
それでも何十回と、同じ本では親も悩んでしまいます。
そんなときは「○○くん、お母さん、違う本も読んでみたいな。次は違う本を持ってきてくれる?」と提案してみるといいそうです。
子供のことなので、それでも「これがいい」と持ってくるかもしれません。
その時はまた付き合ってあげてください。いずれまた別の本に興味を持つ日がきます。
初めて聞いたときは、どれも意外なことばかりだったのですが、どれもなるほど〜。とすっと心に入ってきたので、私は実践しています。
子供のために何かしてあげたい!という親心から、絵本もどう読んだらいいのかと、頭でっかちに構えてセミナーへ参加したのですが、
「何も難しいことはありません。お母さんの声を聞かせてあげることが一番です。」
と聞いて、肩の力が抜けました。
わが子に絵本を読んであげられる、「親子で絵本」の時間もいずれ子供の成長と共になくなり、短いものです。
今だけのこの「親子で絵本」の時間を楽しんでいけたらいいなと感じます。