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仲良しのお友達からのオススメの1冊。「フレデリック」
題名からは全く内容が想像できずに、なんだかわくわくしました。
本を手にして表紙を見たときに、ねぼけ眼のねずみフレデリックのかわいさにとても癒されました。中身のどのページも1ページ1ページがほのぼのとしたイラストで、絵だけを見ていてもとても癒される1冊です。
寒い冬に向けて、4匹の野ねずみたちは食べ物やわらを集め、せっせと冬支度をしていますが、一緒にいるフレデリックだけはちっとも働かずじーっとぼーっとしています。思わず子供と「ありとキリギリスみたい〜」と声がでました。そんなフレデリックに仲間が「どうしてはたらかないの?」と聞くとフレデリックは「「寒くて暗い冬の日の為に、僕はお日様の光をあつめてるんだ。」となんとユーモラスな答え!その後も牧場を見つめながら、色を集めたり言葉を集めたり。。。そうしてだんだんと寒い冬がやってきました。食べ物もだんだん少なくなり、話もつきたころ、フレデリックが集めたお日様の光や色、言葉が野ねずみ達をあたたかく包みます。
初めて読んだときに、フレデリックのユーモラスな発言に思わず「なんて素敵な言い訳なんだ!働かずしてこの発言!フレデリックって頭がいいな〜」と感心してしまいました。と同時に絵本の中だからほのぼのクスクス笑えるけれど、現実問題、家族や職場にフレデリックがいたら大問題なのでは!忙しく働く傍で「お日様の光をあつめてるんだぁ〜」なんてぼさーっとされたら笑ってられないよ!!とすっかり大人になってしまった私でした。「のんきでゆかいな野ねずみのお話」に感じたのですが、何回も何回も読み返すうちに、ただただ働いて、生活の為に生きる為に将来の為に働き続けるだけというのもなんだか寂しいもので、だからみんなテレビをみたり、本を読んだり、音楽を聴いたり、素敵な絵を見て癒されたりするんだなぁ〜。本や音楽や絵やみんななくても生きていくには何も困らないけれど、大昔からそれらは存在していて、フレデリックのような芸術家たちがみんなの心をぽかぽかさせてきたんだなぁと芸術家と人々の関係を感じました。
最初は何にもせず、おもしろ言い訳でかわすフレデリックを受け入れて、一緒に食べ物を分け合っている仲間の野ねずみの優しさに感心していたのですが、仲間の野ねずみもフレデリックのお日様の光や色、詩に心から感激拍手かっさいで、フレデリックを必要とし、フレデリックも食べ物とあたたかな寝床を用意してくれた仲間の野ねずみを必要としていて、お互いが補っているんだなぁ。と思いました。
そう思うと、子供ってなんてフレデリックなんだ!と思いました。花を摘みどんぐりを拾い、目的もなく走り回り、雲を眺め、砂と泥で手は真っ黒。紙切れがあればぐるぐる絵を描き、空き箱があればはさみとテープで何やら作ってる。お金の稼ぎ方も使い方も知らないし、ご飯だって食べるばかりが精一杯。それでも「園で縄跳びが20回もとべたんだ!」の話に親は癒され幸せな気持ちになるんですから。
先日の子供の作品展でのわが子の作品。テーマは「虫と花」で娘はアジサイの花を作ったのですが、製作中、先生曰く「家に咲いていたアジサイを思い出して、同じ色がなかなかないと一生懸命探していました。やっと見つかったみたいです。」と聞いていたのですが、出来上がった作品をみて子供って本当にすごいな〜と感心しました。色も大きさも花の膨らみ方もまさにそのまま。我が家にはアジサイがたくさん植えてあり、出かけるたびにそのアジサイロードを通るわけなのですが、娘は6月のその色を集めて冬になるまでずっと持っていたんだなぁと感じました。冬に咲く娘のアジサイをみてアジサイロードで私が話した「ママのお誕生日は6月で雨ばかりだけれど、アジサイがキレイに咲くから好きなの。子供のころからいつもアジサイがお祝いしてくれるようで嬉しかったんだよ」という言葉を思い出しました。娘がアジサイを選んだ理由は聞きませんでしたが、もしその時の言葉も娘が集めていたのだったら!寒い毎日に心がぽかぽかしました。
今度、子供に習ってフレデリックごっこをしたいなぁ〜と思いました。
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