ロッコくんジュースのまちへ

ロッコくんジュースのまちへ

作者/にしまき かな 出版社/福音館書店

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ロッコくんジュースのまちへ

娘が立ち読みをして、一気に読んでから、私の元へ「これおもしろかったよ〜!」と笑って持ってきてくれました。表紙からしてとてもマンガっぽく、「推薦図書」や「ずーっと愛されている絵本」にはなかなか入ってこないジャンルの本だと思うのですが、私はこういう絵本が子供の頃から一番好きだったりします。娘が持ってきた瞬間、わ〜読みたい!とワクワクした自分がちょっと恥ずかしい位でした。

中身もまさにビンゴ!私の子供の頃の頭の中そのものでした(笑)今でも子供とお絵かきをすると、最終的には親子でロッコくんの様な世界になってしまいます。月の子がジュースとともに落っこちてきて、ロッコくんがコップを拾ってあげるとお礼にと、ジュースのまちへ招待されます。ジュースだらけのジュースのまちは雨のジュースや、ジュース工場で働くロボット、こわ〜いおばけジュースとどんどん展開していきます。空想の世界にどっぷり浸かれる絵本です。読みながらこの感覚、どこかで感じたような。。。と思ったら、いわいとしおさんの「100かいだてのいえ」でした。

色々な絵本がありますが、この絵本は主人公の気持ちを考えるでもなく、何かを訴えるでもなく、絵が芸術的というわけでもなく、ただただ楽しい!おもしろい!事に徹しているのが気に入っています。そして読み終わった後には、なぜか絵が描きたくなります。雨のジュースがあるなら雪や雷のジュース、桜の木から桜ジュースがでてもいいな〜なんて絵本から自分の空想がどんどん広がっていって、子供と一緒に空想話に花を咲かせます。

以前絵本の読み聞かせのセミナーで講師の方が「子供にとっていい本というのは、子供にとってその本が喜びであるかどうか。ということであり、為になるかどうかではない。」と教えてもらいました。「字を覚えさせようと絵本を与え、怒ってしかって文字を覚えさせても、子供は文字が恐怖になるだけで、どれだけ早く文字がわかる様になっても、ただそれだけ。それよりもどんなに遅くなっても文字の面白さを伝えたい」と言われ、深く共感したのを思い出しました。そのお話を聞いてから、1日1冊読み聞かせ。小さいうちにできるだけたくさんの絵本を!という考えから、親子で楽しい絵本探し!お気に入り絵本探しの旅!へと変わっていきました。

親心でついつい、絵本選びも何か為になるものを。。。と探してしまうのですが、「ロッコくんジュースのまちへ」を読んで、その時の事を思い出しました。子供も一人で絵本が読めるようになり、園で借りてきた絵本も私が見る前に「それ、もう読んだよ〜。おもしろいんだよ〜。○○が○○になっちゃうんだよ〜。」と得意げに教えてくれます。私としてはいきなりオチを聞かされ、耳を塞ぎたくなるときもあるのですが(笑)喜び一杯の目で感想を言われて、嬉しくもある瞬間です。「え〜気になるなぁ。ママにも読ませて」とお願いすると、「じゃあ、読んであげる!」と最近では子供に読んでもらう機会も増え、あとどれくらい一緒に親子で絵本の時間を楽しめるのだろうと、考えながら子供の成長を感じます。

私はお気に入りの絵本を自分用にも購入するのですが(子供の絵本棚とは別に自分の本棚においています)、「100かいだてのいえ」に引き続き「ロッコくんジュースのまちへ」も並べたいと思いました。誰かに「この本すごくいいよ!」とお勧めするタイプの本ではありませんが、私の手元にぜひ置きたい!1冊です。

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