いのちをいただく

いのちをいただく

著/坂本 義喜 出版社/講談社

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食肉解体業者の坂本さんが実際あった事をもとに作られたお話。
いつかやめよういつかやめようと思いながら牛の解体の仕事を続ける坂本さん。息子のしのぶ君は授業参観で、親の職業について、「肉屋です。ふつうの肉屋です。」と小さな声で発表します。「そうかぁ。。。」と呟く坂本さんでしたが、学校から帰ってきたしのぶくんに「おとうさんの仕事はすごかとやね!」と言われます。しのぶくんは学校の帰り際に担任の先生に「おまえのおとうさんが仕事ばせんと、先生も坂本も、校長先生も、会社の社長さんも肉ば食べれんとぞ。すごか仕事ぞ。」と言われたのです。その言葉を聞いて、坂本さんはもう少し仕事を続けようと思います。
そんなある日、10歳の女の子が大事に大事に育ててきた牛が解体用にと運ばれてきました。女の子が牛の腹をさすりながら「みぃちゃん、ごめんよう。ごめんよう。」とい言う姿を見て、坂本さんは「見なきゃよかった。」「この仕事はもうできん」と思い、その牛の解体する日を休もうと考えます。。。

私達が牛を見る時、牛は元気にのどかな姿をしています。乳絞りをしたり、牛の「生」の部分しかなく、「死」とは考えもつきません。そしてまた、スーパーで並ぶ牛肉は食品トレイに小分けにされ、牛の姿形を想像すことはあまりありません。
それでも、お肉を食べる時、そこには確かに元気に生きてきた命があり、その命を大事に育てててくれた人がいて、命を解く(坂本さんの様に解体する)人がいます。
なかなか表には出てこない事ですが、何かを食べるとき、「命をいただく」という事に少しでも思いをはせて、親子で手を合わせ「いただきます」と声にだしたいと思いました。

元々は、坂本さんが講演でお話されていたのを聞いた助産師の内田さんが感銘を受け、作文を作り朗読をしたところ、反響が大きく、小さな冊子ができ、紙芝居ができ、、この絵本が出来たそうです。絵本の最後にはそういった、この絵本ができた経緯や坂本さんのメッセージ、内田さんのメッセージも書かれています。重く深いテーマですが、イラストが明るく優しいタッチで描かれている所、途中で笑えるの要素を含んだ1ページがあるので、お子さんも読みやすいと思います。少し大きくなった小学生のお兄ちゃんお姉ちゃんにもぜひ読んで欲しいです。


みんなは おにくはすきかな?
ごはんを たべるとき 「いただきます」というかな?
どうして「いただきます」というのかな?
なにをいただくのかな? だれにいうのかな?
おにくになる うしをだいじに そだててきたおんなのこと
うしを おにくにするしごとをしている さかもとさんの おはなし

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